「お母さん、こはちゃんはまだ小さいから髪の毛生えてくるから大丈夫」
この言葉は小学一年生だったころの長女の言葉。強い子だなぁと私の弱さを痛感した。
幼稚園の年長の12月の話。
長女は幼稚園を一週間欠席して登園した、二週間後に音楽会をひかえていた。
長女のパートは主役のマリンバ、他の園児はピアニカだった。
園から帰ってきて
「お母さん、お弁当減らして欲しい」
って言ってきたから病み上がりで食べれないのかな?なんて感じて少なくした。
そんなこんなで音楽会当日、演奏は素晴らしく保護者は感動で涙涙だった、長女は見事マリンバのバチが見えないほどの素晴らしい演奏を見せてくれた。ただ、とっても顔色が悪くて心配だったんだよね。お友達のお母さんからも
「こはるちゃんのマリンバ素晴らしかったね、でもなんだか倒れそうにみえたけど大丈夫?顔色悪く見えたけど」
って数名から言われた。
帰宅してから長女に異変が起こった、お風呂に入ってたら髪の毛が抜け落ちた、、、抜けるというよりはごそっと落ちた。浴室の床が髪の毛で埋まった、私は気が動転して何がなんだかわからなかった、すぐに小児科に連れて行ったけど大きな病院を紹介された。
そして長女に聞いてみたんだよね
「幼稚園楽しい?本当はしんどいとかないの?」って、そしたらいつも何をやるにも主役でニコニコ幼稚園に通ってた長女から
「本当はしんどかった、、、幼稚園インフルエンザでお休みしてたから外遊びの時間もお弁当の時間も講堂で一人でマリンバの練習してた」
って答えが返ってきた。この時、母として情けなかったなぁ、、、お弁当を食べる時間も貰えなかったんだ、、何も気が付かずに減らしてたよ、、
この子はいつもニコニコ幼稚園が楽しそうで楽しいんだって疑ってもみなかったんだから、、
即、聞いた。
「小学校は絶対に楽しいよ!幼稚園はあと3ヶ月だけだけど辞めてお母さんと一緒に過ごさない?
小学校は絶対に楽しいからね。
今から好きなランドセルを買いに行こう!」
って言ったら
「うん、お母さんと一緒にいとく」
って言ってくれた。
即退園届けを出しに行った。二女、三女の転園手続きも同時に行った。
幼稚園で遊ばなくていつ遊ぶんだ!下の二人にはのびのび遊べるみんな裸足で駆け回ってる様な幼稚園を探してきた、ここは楽しく通ってたよ。
「それから何かやりたい事ある?」
って質問に
「絵を習いたい」
って。直ぐに教室を探して通い始めた、絵はね今でも続けてる長女の心を表現する場 、発散の場になっている。
ランドセルを買いに行ってニコニコだったなぁ。でもね、脱毛は続いた。
気功や針、筋膜リリース、色んな病院、そりゃ〜神にでも頼る気持ちで色々渡り歩いた。髪の毛はどんどん抜けて1/3くらいしか残ってなくて、最後は大学病院の脱毛科にお世話になった。体力が弱って身体が生命を守ろうとして外のものを削除していってる免疫不全脱毛症、最後はまつ毛やうぶ毛も無くなるかもしれない、いつ治るか治らないかも分からない、風邪を引いた後でもまた抜ける。
体力がついていつか治る可能性も無いとは言えないと言われた。
脱毛が進んでもまだ小さいから傷つく事もお友達に言われないけど高学年になったら学校行けるかなぁ、、バンダナか帽子いつからいるかなぁ、、なんて考えなくてもいい先の事を考えた。
色んな病院を渡り歩き、長女の頭に薬を塗る毎日、子供ながらにお母さんの心を感じたんだろうなぁ。
ある日突然
「お母さん、こはちゃんはまだ小さいから髪の毛生えてくるから大丈夫」
って私に言ってきてくれた、
ニコニコ最高の笑顔でね。
この時ハッと目が覚めた、
そうだね、本人が笑顔で乗り越えようとしてるんだ私は何をしてるんだ。ってね。
この日から病院を渡り歩くのも辞めた、笑顔で過ごしたよ。そしたらね、3年生くらいになったら病気しても抜けなくなったの。
学校に通うって事は当たり前ではない、通える事はとっても感謝なんだよね。
目の前の事を笑顔で乗り越える!大切な事だね。
子供から学ぶ事が多すぎる、子育ては親育て、ほんと育ててもらってるよ。
ありがとう。